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質問:残業不払いは罪ならないのですか? |
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答え:残業代の不払いは立派な労働基準法違反で、犯罪行為です。2003年2月にはサービス残業の強要で社会福祉法人の理事長が逮捕される、という事件も起き、最近は労基署も厳しく是正を指導しています。労基法では最高懲役6ヶ月または罰金30万の刑に処せられる重大な犯罪なのです。 |
<関連新聞記事>
(2003年2月3日 朝日新聞夕刊記事より抜粋)
サービス残業させた疑い 特養理事長を逮捕 青梅労基署
職員に所定の労働時間を超えて残業させたのに時間外手当を払わずサービス残業をさせていたとして、東京労働局青梅労働基準監督署は3日午後、東京都内で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人の理事長を労働基準法違反(割増賃金不払い)の疑いで逮捕した。サービス残業で経営者が逮捕されたのは、全国で初めて。
過労死につながるなどとしてサービス残業が社会的問題化する中で、再三の指導にもかかわらず残業代の不払いを続け、不払い額も多額に上ったため、悪質と判断した。
逮捕されたのは、東京都羽村市の社会福祉法人「鶴亀会」の中村忠雄理事長(59)。中村理事長は、同会が99年4月に開設した特別養護老人ホーム「神明園」(同市神明台4丁目)で、園長(59)、副園長(33)、及び事務管理室長(39)の3人と共謀し、職員の時間外労働に対して労基法で定める割増賃金を支払わなかった疑い。
60人前後の職員のうち恒常的に残業をしていたのは約40人で、平均で月50時間程度、多い人では月100時間にものぼる。しかし、残業代はゼロか3、4時間程度しか払われず、未払賃金は1ヶ月の総額で約250万円、99年の園開設以来で約1億円と推定される。
01年9月に同署がサービス残業の是正を勧告したが、その後も職員らから通報が相次いだため、02年9月に家宅捜索を実施。タイムカード機やパソコンのデータを分析したところ、退職時刻を改ざんしていたことがわかった。タイムカード機の押収後は、残業時間は自主申告となったが、同園では、残業時間を申告しないよう職員に圧力をかけていたとみられる。

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